猫でも分かる日本薬局方試験

日本薬局方の試験方法について分かりやすく解説します。

1.化学的試験法 (3)塩化物試験法

塩化物試験法は、その名の通り医薬品中に塩化物(Cl)が.どれくらい()入ってるか調べる試験だよ。

原理は、Clが多いほど白色が濃くなることを利用して、視覚的に判断する。

 

1. 操作法※(日本薬局方の各医薬品の項目で、特別な方法が書いてある場合は除く

・検液

医薬品各条に書いてある量の試料をネスラー管にとり,水適量に溶かし,40 mLとする.

この40mL+希硝酸6 mL※1水=50 mLとする.

※1:Agは中性~アルカリ性で褐色の沈殿(AgO)を生じるため、酸性にしなければな 
 らない。また硝酸以外であれば酢酸を用いる。これは、硫酸や塩酸では沈殿を生じる
 からである

 

・比較液

医薬品各条に規定する量※20.01 mol/L塩酸+希硝酸6 mL水=50 mL

ちなみに、検液が澄明でないときは,両液を同条件でろ過する.

※2:薬局方にはCl()%以下と書いてある。

で、検液及び比較液に硝酸銀試液1 mLずつを加えて混和し,光を避け5分間放置。

色を比べるため,白濁を見やすくするために、黒色の背景を用い,ネスラー管の上方又は側方から観察して混濁(AgNO3+HCl→AgCl)を比較する.

検液の白濁は,比較液の白濁より薄い