猫でも分かる日本薬局方試験

日本薬局方の試験方法について分かりやすく解説します。

化学的試験法

1.化学的試験法 (10)鉄試験法

1.10 鉄試験法 鉄試験法は,医薬品中に鉄が〇〇以上含まれたないかを確認する試験.医薬品の各条には鉄(Fe)の量(ppm)で上限を表している. ※呈色感度がUSP(アメリカの薬局方)、EP法(欧州の薬局方)に比べて2倍くらい良い上、試薬の濃度、添加量に多少ず…

1.化学的試験法 (8)窒素定量法(セミミクロケルダール法)

窒素定量法(セミミクロケルダール法) 窒素定量法は,窒素を含む有機化合物を硫酸で加熱分解し,窒素をアンモニア性窒素とした後,アルカリにより遊離させ,水蒸気蒸留法により捕集したアンモニアを滴定法により定量する方法である.要するに窒素をアンモニア…

1.化学的試験法 (7)重金属試験法

1.07 重金属試験法 名前の通り、医薬品中の重金属が各条に規定する量以下であるかを確認する試験であるなんでこんなことを? まあ、重金属って言う名前からして体に悪そうというのは想像しやすいだろう。ちなみに重金属とは,酸性で硫化ナトリウム試液によっ…

1.化学的試験法 (6)酸素フラスコ燃焼法(ハロゲンフリー分析)

1.06 酸素フラスコ燃焼法(ハロゲンフリー分析) 燃焼時に有害ガスを発生するハロゲンや硫黄が入ってないかどうかを確認する方法。 酸素を満たしたフラスコ中で燃焼分解し, 発生したガスをフラスコ内の吸収液に溶解させ、その後イオンクロマトなどで分析を…

1.化学的試験法 (5)鉱油試験法

1.05 鉱油試験法 これは、注射剤及び点眼剤に使う非水性溶剤中に鉱油※1があるかどうか確認する方法である.精度は良い。まあ、鉱油が体内によろしくない物なのでこの試験をしている。 原理は、 鉱油以外を取り除き、油は水と混ざらない性質を利用して視覚的…

1.化学的試験法 (4)炎色反応試験法

1.04 炎色反応試験法 小中学校のころから理科の実験で行われていただろう。 改めて説明する必要はないだろうが、 炎の色で元素を調べる方法 である。 なんでこんなこと起こるのってなると、炎により、熱励起が起こり、外殻に移動した電子が元の軌道に戻る際…

1.化学的試験法 (3)塩化物試験法

塩化物試験法は、その名の通り医薬品中に塩化物(Cl)が.どれくらい(%)入ってるか調べる試験だよ。 原理は、Clが多いほど白色が濃くなることを利用して、視覚的に判断する。 1. 操作法※(日本薬局方の各医薬品の項目で、特別な方法が書いてある場合は除く…

1.化学的試験法 (2)アンモニウム試験法

アンモニウム試験法は,医薬品中に混在するアンモニウム塩の限度試験である.これは体にとって有害なアンモニウム塩を規制するためだよ。医薬品各条には,アンモニウム(NH4+として)の限度をパーセント(%)で表示してある。ちなみに昔はネスラー法が使われて…

1.化学的試験法 (1)アルコール数測定法 ②ガスクロマトグラフィー

前回は蒸留法を説明したが、次はもう一つの方法、ガスクロマトグラフィーについて説明するよ。 まずは前回の復習だけど、アルコール数測定法とは、 15℃における試料10 mL当たりのエタノール層の量(mL) 今回はエタノールの量をガスクロマトグラフィーで測定す…

1.化学的試験法 (1)アルコール数測定法 ①蒸留法

こいつは要するに大まかなアルコールの量を測定する試験。チンキ剤(生薬をエタノールでしぼりだしたもの)などのエタノールを含む製剤に最低量含まれているか調べるために作られた。上限値の規定のないものが多いが、これは金の問題上、大過量のエタノールが含ま…