1.化学的試験法 (5)鉱油試験法
1.05 鉱油試験法
これは、注射剤及び点眼剤に使う非水性溶剤中に鉱油※1があるかどうか確認する方法である.精度は良い。
まあ、鉱油が体内によろしくない物なのでこの試験をしている。
原理は、
鉱油以外を取り除き、油は水と混ざらない性質を利用して視覚的に見分ける。
※1 鉱油:石油等地下資源のCHもしくは不純物などの混合物、主にパラフィン。
1. 操作法
①試料10 mLを100 mLのフラスコに入れ,
・水酸化ナトリウム溶液(1→6) 15 mL(鉱油意外と反応させ、塩を形成させるため)
・エタノール(95) 30 mL
を加える。
②フラスコの口に足の短い小漏斗をのせ,しばしば振り混ぜて水浴上で澄明になるまで加熱する.
③次に浅い磁製の皿に移し,水浴上で加熱してエタノールを蒸発し,残留物に水100 mLを加え,水浴上で加熱するとき,液は濁らない※3。
注意)冷たいとゼリー状になるので暑いときに判定する。)
※3 油脂をけん化して残留分を水に溶かすと、石けん分は澄明に溶けるが、パラフィン(鉱油)はけん化されないので濁る。
けん化:
①昔:油脂、ろうに水酸化アルカリを作用させ、せっけんとグリセリンまたは高級アルコールとを生成する反応。今回はこっち。
②現在:エステル類が酸またはアルカリによって加水分解されてカルボン酸とアルコールになる反応。アルカリの方が触媒作用大きいのでよく用いられる。
パラフィン:炭素数が20以上のアルカンの総称。ろう。