1.化学的試験法 (4)炎色反応試験法
1.04 炎色反応試験法
小中学校のころから理科の実験で行われていただろう。
改めて説明する必要はないだろうが、
炎の色で元素を調べる方法
である。
なんでこんなこと起こるのってなると、
炎により、熱励起が起こり、外殻に移動した電子が元の軌道に戻る際エネルギーが放出され、それが可視光の波長なら色が見える
ということである。まあ、物理化学を勉強した人なら何となくわかるであろう。
簡単に言うと、エネルギーは反応前後で等しくなるが、
炎のエネルギーをもらってパワーアップしたが、元に戻るときにそのエネルギーを外に出さないといけない。この外に出したエネルギーががたまたま、カラフルな色であった
ということだ。
[方法]
(1) 金属塩の炎色反応
直径約0.8mmの白金線※1を用いるが、別に折り曲げたりせずに先端は直線のままでいい.
①試料が固体の場合
白金線と反応しにくい上、炎色反応もない塩酸を少量を加えてかゆ状とし,その少量を白金線の先端から約5 mmまでの部分に付け,水平に保って無色炎中に入れ,試験する.
②試料が液体の場合
は白金線の先端を試料中に約5 mm浸し,静かに引き上げて,水平に保って無色炎中に入れ,試験する.
※1 白金線を使う理由
安定な元素で加熱しても酸化されない。また触媒作用があり、色が濃く見える。さらにイオン化傾向が小さいのでイオン化傾向が小さい銅も見える
(2) ハロゲン化合物の炎色反応(別名バイルシュタイン反応:フッ素以外のハロゲンの検出法。Cl,Br,Iがあれば緑から青の炎が見える)
[方法]
①網目の開き0.25 mm,線径0.174 mmの銅網を幅1.5 cm,長さ5 cmに切り,銅線の一端に巻き付ける.これをブンゼンバーナーの無色炎中で,炎が緑色又は青色を呈しなくなるまで強熱した※2後,冷却し,更にこの操作を数回繰り返して酸化銅の被膜を完全に付ける.
②冷やした後,この銅網上に,医薬品各条で指定されてない限りは,試料1 mgを付け,点火して燃焼させ,この操作を3回繰り返した後,銅網を無色炎中に入れ,試験する.
ちなみに炎色反応が持続するとは,その反応が約4秒間持続することだよ。もし4秒未満なら不純物にハロゲンが含まれていたってことだよ.
[原理]
CuO+Cl→CuCl2+O2
上記のようにハロゲン化銅を作る反応を利用している。
フッ化銅は不揮発性(というか不安定なのですぐにCuFからCuF2になる)なのでこの反応ではFは検出できない。
※2 酸化銅を形成させ、銅の炎色反応起こらないようにする